自分を攻略していく記録

自分がやりたいことを達成するには何をすればいいのか、その攻略していく過程をつらつらと

海外(ベトナム)でiPhoneをひったくられた話(盗難時のロックとか対処法とか保険とか)

iPhoneベトナムホーチミンでひったくられたのだが、いざそういう状況になると結構テンパるし、実際にひったくられる前から対策できることがあると感じた。ネットで「iPhoneの盗難にあった時にどうすればいいのか」みたいな記事はヒットするが、実際に盗難にあった人が書いているケースは多くなさそうだし、なにより「iPhoneを消去」コマンドまで実行している人はそんなに多くないと思うので記録しておく。

海外にいる時は、スマホはパスポートの次に大切なものになると思うので、なくした時に備えて準備をしておくのが大切だと実感した。

事件の流れ

12時30分頃

離れたところまで移動して昼食を食べようと思い、Grab(東南アジア版Uber; タクシー配車アプリ)を使って車を待っていた。その車が近辺まで来たので、歩道の限りなく道路よりで歩いていた。ちょうど別件でチャットが来たので返信していたところ、背後からバイクに乗った人にiPhoneをひったくられた。普段なるべく気をつけるようにしているつもりだったが、この時は気を抜いておりノーガードだった。すぐに走って追いかけたが、道がごみごみしており、路地に曲がられたところで見失った。隣にいた目撃者によると、「反対側の車線にいたバイクが急にUターンしてこっちにやってきたと思ったらiPhoneを盗んでいったんだよ」とのこと。

12時35分頃

バイクを見失ったあと、すぐにWiFiのあるところに入って、iPadの「iPhoneを探す」で、盗難にあった端末の位置情報検索を試みるが、すでにオフラインになっており位置情報分からず。返ってくる可能性はゼロだと思ったので、iPhoneを探すのオプションにある、端末の中に入っている情報を削除するリクエストを申請(下の画像)。この機能は、iPhoneに入っている情報をすべて削除して、アクティベーションロックをかけるアクティベーションロックがかかっている端末は、そのApple IDとパスワードを入れない限り何もできない携帯となる(文鎮となる)。デメリットとしては、それを発動すると位置情報が一切分からなくなってしまうこと。端末が手元に返ってくる可能性が低い時に実行する最終手段であると言える。ただ、万が一返ってきた時は自分のApple IDでログインすれば元通り利用できる。この時、盗まれた端末からApple IDをログアウトはしないほうが良く、Apple IDを残しておくと、アクティベーションロックが維持できる。

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iPhoneを文鎮化する最終手段

13時11分

iPhoneのデータ削除の完了メールが届く。30分強前に申請した削除リクエストが実行されたよう。申請した時は盗難にあった端末がオフラインだったが、盗んだ人が13:11に再起動してネットを掴んだ際に削除が実行されたようだ。

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iPhoneのデータ削除のメール通知

13時30分

盗んだ人が、奪ったiPhoneApple IDのログインを試みている旨のメール通知が届く。これが突破できないと、アクティベーションロックが解除できないので、誰も利用できない高価なハードウェア端末になってしまう。Apple IDを端末に残しておく限り、所有権が自分にあり、他の人が勝手に初期化して利用することもできない。

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Apple IDログインのリクエストの通知

13時〜14時30分

一緒にいたベトナム人の知人と警察に盗難届けを出しに行く。現場から徒歩5分ほどのところに交番があり、そこでいろんな書類の手続きをする。書類の手続きは思ったより煩雑かつかなりのマニュアルで1時間半もかかった。自分のパスポートや、知人のIDを控えて盗難届けを入手。これがないと海外旅行保険の携行品損害保険が利用できない。1つのアイテムあたり10万円まで保証されるのでiPhoneだと金銭的には大きな痛手にならずに済む。今回はAIGの保険に入っていたが、もしそういうのに入っていなかったとしても、クレジットカードの海外旅行保険でカバーされる。

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盗難届けの手続きの様子

16時頃

手元にAndroid端末も持っていたのでそれを使って、Skypeで保険会社に電話をする。この通話は、5分で勝手に切れてしまったので、課金していない状態だと日本に海外から電話する場合5分まで無料で行けるぽい(?)。その後は友人の携帯で電話して保険の書類等をメールで送ってもらった。以前、中国・深センで入院して、保険を利用した時にも思ったが、メールのやりとりで完結したいところ。どうやら保険会社側は、メールだと届いているのか、迷惑メールとして処理されていないか等が不安なようだ。わざわざ10分も電話しなくても、メールだったら、テンプレを事前に作っておいて、コピペして、請求書のPDFを貼れば終わりだと思うのだが...。

今年中国に行ったときにも保険のお世話になっていた。海外旅行保険は大切...。せめてクレジットカードの海外旅行保険の確認だけでもしておくべき。

diary.shuichi.tech

iPhoneの端末自体の処理とその後のバックアップ処理で頭がいっぱいになっていたが、盗難にあったSIMカードのことを思い出す。香港で購入したiPhone XRだったのでデュアルSIMで、ベトナムのViettelのSIMと、中国のChina UnicomのSIMが入っている状態だった

ベトナムの方はプリペイドで、購入時にパスポートの登録もしていなかったため、同じ番号のSIMカード再発行ができず、この電話番号に紐付いていたZalo(ベトナム版LINE)のアカウントが闇へと消えてしまった。とはいえ、Zaloの他にこの番号を使っていたわけではないので、ベトナムSIMの被害はそこまで大きくはない。

ただ、今回の1件で一番ダメージが合ったのが、中国SIMの紛失だ。中国のSIMカードと銀行カードを持っており、支付宝(Alipay)はその両方を利用している。盗難直後の段階で支付宝にログインできていたのを確認したのだが、夜の時点でセッションが切れてログインが求められるようになっている。おそらく、中国SIMを他の端末で利用して、いくつかのサービスにログインしようとしたのだと思われる。支付宝にはパスワードがないと入れないと思うが少々不安。微博(Weibo; 中国版Twitter)は起動してみると、パスワードが変更されました、というポップアップが出てきて強制ログアウト。中国のアプリやWebサービスは電話番号認証しかないことがしばしばあるので、非常に危険だと判断して、China Unicomのアプリから電話番号の停止の手続きを行うことに。次に中国に行った時に現地でSIMを再発行して色々と作業をしないといけないと思われる。

中国SIMの停止方法

かなりマニアックだが、中国のSIMカードを紛失してしまって一時停止したい場合の方法をメモしておく。China Unicomのアプリを利用している。服务 -> 客服 -> 在线客服をタップする(一枚目)。次にテキストボックスに办理停机保号と打つと(2枚目)色々でてくるので、停机保号をタップ(3枚目)。「点我」の部分をタップすると4枚目のようになる。最後は、本人確認の6桁のコードを求められたが、登録をしたことがない人(今回も未登録)は、パスポートの下6桁になるようだ。

客服をタップ 办理停机保号と打つ 停机保号をタップ 月5元でサスペンドできる
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雑感

東南アジアとかだと、道で携帯をいじるのは危険だというのは常識だし気をつけているつもりだったが、少し気を抜いている時に奪われたので結構ショックだった。その後の処置は、近くにいた友人がサイバーセキュリティとかの事業に関わっていたということもあり、的確なアドバイスをもらいながら対応できた。自分1人だったらApple IDのログアウトをして情報を断とうとしていたと思う。「iPhoneを削除」を行うと、アクティベーションロックという呪文によって誰も利用できなくなるというものこの時に教えてもらった。逆にApple IDを切断してしまうとこの呪文も解けてしまう。誰かの手に渡ったiPhoneで自分のApple IDがハックされたら怖いと思っていたが、冷静にiCoudのサイトから自分のアカウントが乗っ取られるリスクと同じなので大丈夫そうである。どこにあるか分からない僕のiPhoneは、第三者が利用できないただのハードウェアになっており、その利用方法が気になる。何も知らない人に高値で売られるのか、解体してパーツを売るのか、脱獄してリセットするのか。資源の観点から言うと、自分のApple IDを切り離して、誰か他の人がそのデバイスを利用できるようにした方が良いという見方もある。

盗難SIMの方も面倒で、日本のSIMを紛失してしまった場合、日本に帰るまでいろいろなサービスが利用できなくなってしまう。ただ、手元に日本のSIMが残っていたものの、今回は格安SIMで海外ローミングできない状態だったので、LINE等いくつかのサービスにはアクセスできない。WhatsAppやLINEはラップトップアプリを入れてログインしておけば、紛失してもログイン状態を保つことができたはずなので、アプリをパソコンでも利用しておけばよかった少し後悔している。パソコンでそういうチャットツールを入れていると気が散ると思ってあえて入れていなかった。

データに関しては、盗難に遭う日の朝に最後のバックアップの記録があり、新しいiPhoneApple IDでログインするとほぼすべてのデータが復元できた。写真も一枚も失わずに済んだ。また、2段階認証のアプリを、Google AuthenticatorからAuthyに移行もしていたので、紛失したあとも特にアプリの2段階認証で詰むことはなかった。

海外にいる時は、スマホはパスポートの次に大切なものになると思うので、なくした時に備えて準備をしておくのが大切だと実感した。

まとめ

盗難に気をつけるのももちろんだが、普段から対策しておくと大惨事にはならないので、以下のことを行っておくとよいと思った。

※以下iPhoneを前提とする

事前にしておきたいこと

  • iPhoneを探す」は絶対にオンにしておくべき
  • Apple IDは2段階認証をオンにしておくべき
  • Google AuthenticatorよりもAuthyなど複数端末で利用できるようにしておくべき
    • 2段階認証するための端末が1つしかないと、それを紛失すると詰む
  • データのバックアップは取っておく
  • スマホのケースで、指を入れれるリングのやつをつけておくべき
    • ひったくり難易度が跳ね上がる。今回もそれをしておけば防げた事故。
  • 日本で格安SIMを使っている場合は、海外ローミングのオプションを確認して可能であれば有効化しておく
    • そもそもデフォルトがオフになっており海外でSMSを受け取れない。
  • LINEとかは複数デバイスでログインしておいたほうが良い
  • (中国のSIMは中国以外で利用する時はSIM PINでロックした方が安全...??)

起こってしまった時の対応

  • iPhoneを探す」を使う
    • 落としてしまったとかで見つけられる可能性があるなら「紛失モード」にする
    • 盗難とかで善良な人が拾ってくれる可能性がないなら、「削除」をする
  • 焦ってApple IDのサインアウトをしない
    • iPhoneを削除」が適切に実行されていれば自分の情報は安全かつ、その端末を第三者がリセットすることもできない。
  • SIMカードを止める
  • 警察に届け出を出す
    • たとえ見つかる可能性がないにしろ、保険で必要になる。
  • 保険会社に連絡する
    • クレジットカード付帯である可能性大。

参考リンク

support.apple.com