自分を攻略していく記録

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ブロックチェーンと今後の姿

ブロックチェーンとは

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ブロックチェーンとは、端的に言うとデータ保持の1つの方法に過ぎない。一本の鎖のようにブロックを繋げて行き、その各ブロックの中に様々なデータを格納していく。一度ブロックに刻まれたデータは改ざんが理論上難しく、安全性が高いと言われている。

インターネットは、あらゆる情報の交換を可能にして人々の暮らしを大きく変えた。一方で、ブロックチェーンはインターネットの次のイノベーションである、と表現されることがあるがそれは一体どういうことなのか。この新しいデータ保存の方法がなぜそこまで注目を浴びているのか。

インターネットは、インターネットそのもので情報が交換できるようになり、その上に様々なアプリケーションが作られた。一方でブロックチェーンは、ブロックチェーンそのもので情報だけでなく価値の交換ができるようになる。お金のやりとりもアプリケーションの下のインフラレベルで可能になるということだ。そうすると、ブロックチェーン上のアプリケーションの比重はインターネットの世界におけるアプリケーションのそれと比較してずっと小さくなる。一部の大きい会社が圧倒的な富を得ているという現状が覆されるかもしれない。

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ブロックチェーンの今

2009年にビットコインが始動したのを皮切りに、多くのブロックチェーンの応用例が登場してきた。2015年にメインネットがリリースされたEthereumは、2017年に非常に注目され、スマートコントラクトという概念が広く認知された。世の中の契約をスマートコントラクトで表現することで、管理者が不在でも複数人の間での契約が執行できるようになる。もちろんまだまだ課題は多いが、多くの人がそれを解決すべくしのぎを削っており、EOSやZilliqaなどEthereumのライバル的なブロックチェーンプロジェクトが出てきている。

ブロックチェーンは、コンセンサスアルゴリズム(次のブロックをどうやって決めるのか、というアルゴリズム)や、処理の高速化、ファイナリティーの確保(新規で追加したブロックが覆されないことの保証)、分散化、といった課題を抱えており、海外ではそれを解決するためのプロジェクトが多い。また、ConsenSysのようにDApps(ブロックチェーンを利用したアプリケーション)を作るためのツールを開発する動きもある。一方で、日本は、デベロッパーレベルではDAppsの開発は盛んだと思うが、資本を投下してブロックチェーンの業界で戦っているプレイヤーはまだごく一握りだ。

今後どうなるのか

Facebookの情報漏洩や仮想通貨取引所・銀行のクラッキングなど、サービス利用者がサービス提供者を信頼して預けているはずのデータやお金が大きな危険にされされている現状がある。そういった多くのアセットを持つ会社は常にクラッカー(悪いハッカー)からの攻撃に晒されているのである。今後は、ユーザが自分のデータやお金を管理することになっていくはずだろう。逆に言えば、各企業がそういった個人的なデータや資産を持ちたくなくなってくるだろう。たとえば、Webアプリのデータ自体はサービス提供者側が持っていたとしても全て暗号化され、データの持ち主の秘密鍵を使ってのみデータを読み取れるようになるとか、他には、分散型取引所のように自分でお金を管理して取引所が利用できるとか。Dropboxのようなストレージサービスや、チャットアプリといった個人情報が絡むサービスにおいて、どうやって個人で管理できる形で提供するか、という流れが起こるだろう。

この問題を解決するにあたって必ずしもブロックチェーンを使う必要はないが、どこかの中央集権的な管理者に依存することなくデータや価値の保存・交換の安全に行うためには、ブロックチェーンとの相性が良い。既存のWeb技術と分散的な技術のつなぎ目に注目していきたい。そういった観点からすると、任意のアプリケーションをブロックチェーンに乗せることができるTendermintは非常に興味深い。

今後もブロックチェーンそのものを使った技術開発や改良はもちろん必要になるが、それを使って何を解決するかが重要なのであって、ブロックチェーンの技術が目的になってはいけない。