自分を攻略していく記録

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テンセントのお膝元深センとアリババの本拠地杭州に垣間見る類似点

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上海、杭州深センに行ってきた

  • 上海といえば中国の商業・金融・工業・交通などの中心であり、経済規模が国内最大の都市である。
  • 杭州は、上海から高速鉄道で1時間ほどの距離に位置し、南宋時代には事実上の首都として機能していたり、現在でもG20サミットが行われるほどの都市である。最近は無現金都市と謳っている都市で、超巨大EC淘宝(taobao)を運営しているアリババの本社がある。また、支付宝(Alipay)を運営しているアリババの子会社アントフィナンシャルの本社もある。モバイル決済が最初に広まった都市。近年開発が進んで非常に新しい町並みが広がっている。
  • 深センは、中国の南に位置し、香港から車で行ける。世界最大の電脳街があるほどハードウェアに強い街で、ここ10年ほどで一気に進化した。人口も都市部だけで1000万を超える上、65歳以上の人口は2%ほどしかないという非常に若くて勢いのある都市である。微信(WeChat)のテンセントやドローンで有名なDJIがある。

上海-杭州間は高速鉄道(新幹線)、上海-深セン間は飛行機で移動するというハードスケジュールでそれぞれの街を見てきた。気づけばここ2ヶ月で深センには3回行ったことになる。初めて中国に行くまでは、正直なところ、中国といえば空気が汚くて、信号も機能しないような民度が低い場所、と勝手に思い込んでいたが、この2ヶ月でその考えがひっくり返された。思っている以上にテクノロジーが生活に取り込まれている。

それぞれ都市のインフラはどうなっていたか

今回の訪中では、タクシー、地下鉄、新幹線、飛行機、(あと、一応シェアサイクル)と大体の交通機関を利用した。

新幹線の様子

上海は外国人観光客も多いためか英語が比較的通じたが、それ以外の地域ではほとんど英語は通じなかった。それでも、タクシー、地下鉄、飛行機は基本的に日本と同じようなシステムなので、特に利用方法がわからない、ということはなかった。新幹線は、予約をWeChat上で行っていたため、オンラインで全部完結するかと思いきや、その予約を元に窓口で乗車券を発行するという仕組みになっていた。中国の国民IDを持っていると自動発券機で簡単に券を発行できる。あとは、荷物検査があるのも日本との違いだ。今回利用した上海の虹橋駅は、日本のそれとは大きく異なり、むしろ空港に近かった。下の写真は新幹線の駅である。

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地下鉄の様子

それぞれの都市は地下鉄がしっかり整備されていた。上海と深センでは地下鉄に乗る時に、PASMO的なカードがないと、現金なしではなかなか切符を買えないようになっていた(たぶん無理なわけではないと思う)。一方、杭州では、Alipayや銀行のカードがあればそれで切符を買えたため現金なしで地下鉄に乗れた。ただ、深センは外国人観光客が少ないということもあってか、現金でいちいち切符を買っている人はほとんど見かけなかった。

タクシーの様子

上海のタクシーはきれいとは言い難いものだったが、深センのタクシー、バスの多くは電気自動車になっていてきれいなものが多かったのが特徴的だった。電動のバスがとにかくたくさん走っている。杭州はシェアサイクルや電動バイクで移動する人が非常に多く、タクシーはそこまで見かけなかった。タクシーでの支払いはWeChatでいけるので現金は必要ない。

町並み

町並みとしては、上海は東京に似ていた(雑)が、杭州は、道路を初めとして全体的に整備されていて新興都市のように感じた。深センは道路がボコボコだったりするものの、飛んでいるドローンを街中で見かけたり、セグウェイに乗っている人がいたり、QRがどこにでもあったりと、日本よりテクノロジーが街に溶け込んでいると感じることがある。そしてなにより人が若い。

決済の様子

Alipayがある杭州はたしかに現金やクレジットカードがなくてもモバイル決済(AlipayもしくはWeChat)で生活できるようになっていたし、WeChatのある深センも、どんなに小さいお店でもモバイル決済できるので、ほぼ現金が不要だった(地下鉄で必要になる場合はなきにしもあらず)。それに街で現金を使っている人もそこまで見かなかった気がする。一方で上海では、外国人観光客はモバイル決済ができないこともあるため現金を使って支払いをしている場面を多く見かけた(それでも日本よりは少ないが)。特に地下鉄の切符売り場は行列になっていた。

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メトロポリタンの横に広がるテクノロジー街

杭州深センは巨大なIT企業のお膝元でありスタートアップが盛んである。人の流入が非常に大きく、中国で最も移民が増えている都市が杭州、ついで深センである。その結果、資金や人材が潤沢で、アイディアがあればガンガン作っていくエコシステムができてきているのだ。さらに、人々のテクノロジーに対する高い順応力や新しいもの好きな風潮もあり、両都市とも変化が非常に早い。たとえば目新しいサービスが出てくるとこぞってコピーされる。逆に、上海など観光客やお年寄りが比較的多い地域だとこうした変化が起こりにくいのだろう。

杭州は上海から近く、深センは香港から近い。それぞれすでにできあがっているメトロポリタンのそばで急速に進化しているという共通点がある。それに街が発展していく序盤に地下鉄等の交通網がしっかり整備されていたことも興味深い。両都市のようにできあがっている大都市のそばに、スタートアップがおこりやすい環境を整備すれば、深センにあるようなエコシステムがまた生まれてくるのかもしれない。言ってみれば、極端な話、東京ではなかなか大きな変化がおこしにくいが、つくばに地下鉄や交通網を整備して、優秀な若い起業家たちを誘致しまくったら何かおこるかもしれない。あくまでたとえだが。

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