自分を攻略していく記録

自分がやりたいことを達成するには何をすればいいのか、その攻略していく過程をつらつらと

中国の深センで入院してしまった話

最近何かと話題な深センそんな深センで急遽入院することになってしまった。英語も全く通じずかなり苦労した。もともとは東南アジアに行こう、と思っていたが、通り道の香港・深センに寄り道した矢先のことだった。

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深センのとある大学病院の一室

気胸

2018年の春に二度左の肺気胸にかかり手術もした。この(肺)気胸という病気は、肺に穴が開くもので、肺の外に抜け出た空気が肺を圧迫してしまい、放って置くと肺が潰れて最悪の場合心臓に圧がかかりショック死することもある。痩せ型の若い男性に多く、特に春に発生しやすいらしい。二度発症したあと、手術したので完治したと思っていたが、今回発症したのは右側だった。右も左も気胸になってしまった。

肺に異変を感じる

深センの街中(@小米之家)で買い物をしている時に、下においてあるものを見ようとかがんだ際に肺がグググっとなって痛みを感じだした。以前体験したことがある感覚だったのでおそらく気胸だろうなとすぐに感じた。あとは、時期的にも、香港・深センは日本の5月くらいの気候だったので春っぽさもあり気胸の可能性をより一層感じた。一応、気のせいであることを期待して少し様子を見たが、どうやら痛み・違和感が引かないのですぐに病院に行くことにした。とは言え病院の検討もつかないので、深センに住んでいる中国人の友達に、SOSを送った

会話の様子① 会話の様子②
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その日に会う約束すらしていなかったのに、連絡してからすぐに返信が来て「タクシーで向かうからこの病院に来て」と言ってくれた。返信も早くてすぐ対応してくれる感じがたまらない。タクシーを捕まえて病院に向かって、無事に彼と合流できた。

はじめての海外での診察

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やたらカジュアルな診察エリア

この病院には、診察室という診察室がなく、広間に5~6個机があって各机に1人担当医がいる、という感じだった。週末だからそうなっているだけなのかもしれないけど。そこで軽く症状について話したあと、レントゲンのフロアに向かった。この時、医師とのコミュニケーションは、ローカルな病院に来てしまったせいか全く英語も通じず、友人がすべて通訳をしてくれた(彼は英語はペラペラで日本語も少し話す)。

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レントゲンの待合室

レントゲンでは、日本で受ける時と全く同じ姿勢を取らされて、「ここはどこでも同じなんだ」、とふと思った。ただ、レントゲンを撮った後は、レントゲンのデータが出来上がるまで待合室で待つ、というプロセスがあった。できあがったデータを自分で発行して、次の場所に持っていく。

このレントゲンを医師が見ると「気胸ですね」と言って、呼吸器の先生が登場してそのまま引き継ぎ。なるほど、カジュアルな診察スペースでポンポン回していい感じに患者を振り分けているようだ。合理的。

そのまま入院

気胸と言われた時点で入院ということは覚悟していたが、案の定入院することになった。ただ、そこまで重くない容態だったのでメスを入れずに安静にするだけで済んだ。もし悪化したら次の日メスを入れて処置をしようと言われた。

気になるお値段だが、レントゲンを取る前に200元(3400円程度)の支払いをして、レントゲンを取り終わった後にもまた支払いをした。日本で入院した時は、最後にまとめてすべて清算したが、この病院では初めのカジュアルな診察の直後に支払いプロセスが挟まったのが意外だった。また、入院の手続きをする時にデポジットで3000元(約5万円)を払った。まるでホテルのよう。でも一泊は大体150元(約2500円)程度らしい。手術をする場合でも日本の3割負担の値段より少し高い程度で思ったより安かった。クレジットカードはアメックスが利用できなくてVisaを使おうとすると銀聯カードだけ、と言われて友達が建て替えてくれた。中国に行く時に銀聯カードはあった方が安心かもしれない。クレジットカードの保険で保険会社がいい感じに払ってくれて自分はお金を出さずに済ませる方法もあるが、この病院は対象外だったのでそれもできなさそうだった(保険は後述)。

支払いの仕方については、画像のようなマシンで医師から受け取った紙についているバーコードを読み取ってAlipayやWeChat Payで支払いができた。クレジットカードも使えるようだったが、病院内に、WeChat Payの広告とかもあってモバイル決済を推奨していた。日本で入院したときも同じようなマシンで簡単にクレジットカードで支払いができたので、ここでは中国スゴイとはならなかった。

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支払い機

その後は病室で夕飯を食べたり入院のための準備をした。入院の手続きではいくつか同意書を書かされたが、これは日本でもここでも同じような感じだった。

医師が何かあったら連絡してくれ、と友達にWeChatを教えていたのがびっくり。日本の感覚では、患者の付添人に医師がLINEを教えるような感じだろうか。

時間も21時半を回っていて、夕飯が何もなかったので饿了么(フードデリバリーのサービス、日本のUberEATSと同じ感じ)で出前を頼んだ。普通に配達員が病室までやってきたのにも驚いた。面会手続きとか、入室できる時間の制約とかないんかい、と。

病室の様子

日本で入院した時と病室の様子は大体同じような感じだったが、トイレットペーパーがないのと、シャワーの水回りがひどくてとても使う気にならなかったのが違う点だった。大衆点評でティッシュを頼んだが、デリバリーの人が病室まで来てくれてティッシュを届けてくれた。こういうアプリが病室から使えるのでコンビニに自分で行く必要すらなかった。

入院した次の日に、「お昼ご飯は何時ですか?」と聞いたら、「出ないからデリバリーなりで手配して」と言われてしまった。これじゃただの素泊りだ。。もし中国の電話番号を使えなかったら饿了么も利用できないしホントに詰んできたかもしれない。中国において電話番号はパスポート・ビザ(とはいえ観光なら特に不要)の次に重要な気がする

後は患者の数自体が少なく、ヨボヨボの高齢者がほんとにいなかったのもびっくりだった。平均年齢が20代と言われるくらい若い街であるというのを痛感した。平日になると見舞いに来ている人が増えて、非常に声が大きく騒がしかった。

自分の部屋が2つベッドがあり隣にもうひとり患者が来たが、ベッドを仕切るカーテンがないことに気づいた。その人の友だちは一日中いるし、何ならそのまま寝泊まりし始めた。カーテンがないからかめっちゃ絡まれる。でも、イヤホンなしに動画見るし話し声が大きいし、いびきもうるさいし、急に日本の病院が恋しくなった。日本ではヒソヒソ話す人もいるくらい静か。

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患者の友達が寝始めた

都内で入院した時は、担当の看護師さんが変わるたびに挨拶に来て様子を伺いに来てくれたが、深センではそういうのもなくほとんど放置だった。たしかに日本の看護師さんは優しすぎると言うかもう少し雑に扱っても大丈夫なのに、と思ってしまう。

病棟に監視カメラが多く設置されていて、地下にいくとセキュリティルームで警備員たちが映像を見ていたのも中国っぽさがあった。セキュリティルームの扉が全開で外から監視カメラの映像まで丸見えだったけど。

保険の話

お金については上でさらっと書いたが、意外と安くて安心した。とは言え出費は出費で辛いので、クレジットカードの保険を利用することにした。アメックスカードの保険を使うために、カードの裏に書いてある電話番号に電話をかけた。保険に関して伺いたいと伝えると、電話代がかかるだろう、ということで向こうから折返し電話をくれ、そこで状況を詳しく話した。帰りのチケットまで含めカバーされるようでアメックスサマサマである。アメックスの保険の提携がある病院であれば、キャッシュレス診療ができるそうで、お金は一切出さずにアメックス側が負担してくれる。ただ、今回はローカルな病院だったのでそういうのはなかった。

去年も急に気胸になったので、こういった自体に備えてクレジットカードの保険について知っておいて良かったと思う。額が大きければ他のカードの保険も併用を考えるが今回はアメックスだけでカバーできそうだったのでそれだけにしておいた。

雑感

今回は、病院選びから、医師とのコミュニケーション、お金の建て替えなど、現地の友達にすべて助けてもらってどうにかなったが、1人だったらかなり厳しかった。たしかに、日本人や海外の人ががかかるような病院に行けば言語でここまで困ることはなかっただろうが、実際に症状が出た時はそんなことを考えるゆとりもなかった。言語についてはホントに英語が通じなかった。ベテランの医師は簡単な英語が通じたが、中堅クラスの医師とはコミュニケーションが大変で自分の容態についても自分だけでは聞くこともままならなかった。ましてや看護師はほぼ話せないので見回りに来て調子を聞かれても苦労した。

今となっては、なかなかできない経験だし、いい経験になったと思えるが、もし助けてくれる人やちゃんとした病院がない地域だったら、と思うと恐怖である。旅行は好きだし病気になったからと言って控えるつもりはないが、友達はちゃんと大切にしようと強く思った。ピンチになった時に助けてくれる人がいるのは生きる上で最も大切。

P.S.

肺の病気なので1~2週間は飛行機に乗れませんが、帰ったら再発リスクを除くために手術をする可能性が高く、3月はまた都内で入院しているかもしれないのでかまってください。

追記

  • 無事帰国しました。

diary.shuichi.tech

  • 保険を使っていい病院に行けばこんなローカルな思いはしなかったようです。