基本情報
GDP成長率は6%程度、インフレ率が4%程度で成長が著しい。ただ、物価は日本の3分の1程度。社会主義国でドイモイ政策によって経済が発展したと言われている。
首都ハノイとホーチミンとの交通の便が非常に悪く輸送には4日かかることが普通だそう。鉄道も老朽化が進み、道路の渋滞もひどいため、経済発展にはインフラが大きな課題となっている。
行って感じたこと
感想まとめ - バイク量すさまじく物流が課題すぎる。先日やってきたGo-Jekに期待 - シェアリングエコノミーがまだまだ発展していない。評価システムとかクレジットがまだあまりなさそう - 物価が急に上がったせいか、安い or 高いの二極化しておりローカルの人は経済的に大変そう
この週末にベトナムのホーチミンに行ってきた。噂には聞いていたが、バイク王国ぶりにはビックリした。自転車がほぼ皆無で、基本的な移動手段はバイク、次いで自動車になる。もちろんタクシーはあるが、現地の人はバイクの後ろに乗せてもらって移動するのが一般的なようだ(先月からGo-Jekというインドネシア発のバイクタクシーがベトナムでも展開され始めたそう)。なので、空気は綺麗でなく道路も先進国と比べると汚いという印象を受けた。9月は雨季ということもあり、日中は天気が崩れがちだったが、みんなレインコートを着用してでもバイクに乗る。車線を無視した運転は当たり前で、クラクションでお互い事故らないように気をつけ合っていた。初めは「なんて危険なんだ」と思ったが、道が混みすぎて自動車の速度は基本20~30km/hなので、事故っても怪我で済む程度なのだろう。多分、日本において、歩道を利用する自転車と歩行者みたいなイメージかなーと勝手に思った(歩道って自転車のベルは鳴らすけど、車線の概念がなくて無法地帯だし)。一応、電動自転車という乗り物もあるそうだが、日本におけるそれとは異なり、むしろ原付に近いようだ。
インフラが課題とは聞いていたが、移動手段が豊富になりつつある今の時代なら都心にあらゆるものを集積する必要はなく、分散的な街をデザインできればインフラ問題から解放されると思う。ただ、現状は移動手段が固定されすぎており集積せざるを得なくなっている。
中国をはじめとした諸国ではシェアサイクルが流行っているが(もう下火ではあるものの...)、ベトナムでは一切、そういったものを見かけなかった。彼らは子供の頃からバイクに乗せてもらって過ごすそうなので、人力で漕ぐ乗り物をわざわざ使わないのだろう。自転車へのスイッチイングコストが高すぎる。バイクの保有率は全世帯の9割に登るようで今さら自転車には戻れない。
シェアサイクルの他にも、アメリカを中心に電動キックボードが流行っているが、これは人力ではないので自転車よりはいいかもしれない。ただ、歩道はそこまで整備されていなかったり、雨が多く、水たまりもできやすい、という問題は残っており、こうした課題を鑑みると、電動自転車でもいいのではないかと思える。
結局、このモビリティ問題で重要なのは、バイクなのか・自動車なのか・電動キックボードなのか・電動自転車なのか、という手段よりは、 シェアリングという概念がそこまで浸透していない のが大きいと思える。中国やシンガポールに比べてシェアリングエコノミーが進んでいないのである。
先日、世界の信用についてのデータが発表されていたが、中国では圧倒的なクレジットが生まれており、GDPの発展の1つに寄与してるだろう。たしかに、リーマンショックの頃と同程度に膨れ上がっているので今後が不安ではあるが、ベトナム(ホーチミンしか行っていないが)ではクレジットがもっと必要なように感じた。中国ではその信用スコアの評価システムがあったので、それと連携して色々なものがシェアリングされていったが、そういった土壌がまだないように感じた。
あとは、ローカルの人が食べているものはめちゃくちゃ安い(100円とか)だが、観光客向けの食べ物になると600円とかかかるので、ローカルの人からすると、物価が高いか安いかの二極化をしてるんだろうなと思ったし、そのせいかお金に対してシビアに映った。写真はグエン・フエ大通り公園と呼ばれるところで、夜10時でも盛り上がっていて、楽しい街だった。