自分を攻略していく記録

自分がやりたいことを達成するには何をすればいいのか、その攻略していく過程をつらつらと

時間に対する捉え方はどう変わってきたのか

紀元前の時間に対する必要性について

f:id:ngo275:20171217141020j:plain

紀元前のエジプトや文明が栄えていた地域では、生活するために欠かせなかった川や作物について知る手立ての1つとして、大まかな時間(季節や暦)を知る必要性があった。原始的な狩猟文明の時代にはそのような必要性は強くなかったが、農耕文明に移る過程で次第にこの必要性が生まれてきたのである。紀元前4000年頃のエジプトにて、地上にまっすぐに棒を立てて、昼間の時間を細かく刻んだ日時計ができたと言われている。ただ、これは晴れた日の日中しか使えないという制約があった。そして、紀元前1550年頃には、夜用の時計として季節によって夜の長さが変わる不定時法に対応した水時計が作られた。

中世における時間に対する必要性の変化

f:id:ngo275:20171217140817j:plain

文明ができてくるにつれて、各地域・文化に適した暦や時間の測り方が生まれてきた。ところが、意外にも中世になるまで、細かく時間を知る必要性はほとんどなく、多くの人は太陽を基準に生活していた。その中世では何があったのか。中世ヨーロッパは長い争乱の時代だったのである。そして、救世主が待望されてキリスト教がヨーロッパ全土に浸透したのだ。その時に生まれた教会や修道院では数時間おきに鐘を鳴らし、祈祷や労働、読書と言った作法を守る必要があった。そんな中で、ルネッサンス期の1300年頃に、機械で自動的に鐘の時打ちが可能な世界で初めての機械式の時計が、修道院や教会の塔の上にできたと言われている。そしてこの新しい時計がヨーロッパに広がり公共時計として機能するようになっていった。

資本主義による時間に対する必要性の変化

f:id:ngo275:20171217141255j:plain

キリスト教や機械式の時計によってヨーロッパの方では時計が広がっていったが、現代のように時間に縛られていたわけではなさそうだ。現代では、決まった時間に起きて、決まった時間に会社に向かって、決まった時間に退社して、決まった時間に寝て、という生活が当たり前になっているが、それには産業革命・資本主義が大きく影響を与えている。産業革命が起こる前は、商人は作業分担をせずに1人で最初から最後までものを作ることが基本だったが、産業革命により、工程を分割し人が行う作業を分担しあうことで大量生産を可能にした。資本を持つものは、定時法をもとに組織的・計画的に時間を利用して利益追求をしていくようになったのだ。これによって、労働者は決まった時間に工場へ行く必要性が生まれ、時間に従って生活するようになった。労働者は決まった時間に電車に乗るので、電車の時刻表の整備もされたし、レストランも、およその退社時間に備えて店を開けるようになったのだ。

個人が台頭してきた現代では

f:id:ngo275:20171217141619j:plain

21世紀に入り、インターネットを始めとした技術の発達により、時間に対する捉え方が大きく変わってきつつある。たとえば、リモートワークをする人は、決まった時間に電車に乗って、決まった時間にお昼ごはんを食べる必要はない。また、個人で働く人も増えてきて、そうした人は決まった時間に寝て起きる必要性もなくなってきた。工場でも自動化が進んでおり、どうしても時間に縛られてしまうパイプライン処理から人が解放されつつある。15世紀以前のように時間に縛られる必要性が薄まりつつあるように思う。このように時代とその当時の生活における必要性を照らし合わせると見えてくることが多い。当分は今のまま大きく変わらないだろうが、いずれまた新しい必要性に応じて時間に対する考え方が変わるはずだ。