自分を攻略していく記録

自分がやりたいことを達成するには何をすればいいのか、その攻略していく過程をつらつらと

高齢化社会にどう立ち向かえばいいのか

重荷扱いされる高齢者たち

高齢化問題。

日本における高齢者(65歳以上)の割合はおよそ全体の3割となり、このままでは非常にまずいという議論をよく聞く。社会保障問題や介護問題、労働力の低下、医療費問題、などと高齢化にまつわる問題がたくさんあるようだ。たしかにそれはもっともらしく聞こえるが、 そもそも高齢者 = 重荷という捉え方は間違っている と思っている。中にはめちゃくちゃ元気な人も多くいるにもかかわらず、高齢者は社会によって支えられている存在、とひとくくりにするのは乱暴すぎる。むしろ、医療が発展し人生100年時代と言われる中で、みんながみんな65歳を過ぎたからといって重荷になるはずがない。

シニア層はやることが極端に少ない

今の若者は普段何をしているだろうか。勉強、運動、テレビ、ゲーム、SNSYouTube等々。スマホやパソコンに慣れ親しんでいると娯楽は無限にある。アプリやWebサービスを提供している会社の多くはこういった若者をターゲットにしており、常に新しいサービスが生まれてきている。ただでさえ、LINE、InstagramYouTubeNetflixなどの超人気サービスに多くの時間を費やしているところに、自分たちのアプリを使ってもらうべくいろいろな施策を打っているのだ。

一方で、シニア層(以下、高齢者のことをこう呼ぶことにする)は定年退職を迎えたあと何をしているのだろうか。テレビ、勉強、読書、旅行、ハイキング、ゴルフ、運動。こういったことがパッと思いつくが、スマホやパソコンをずっといじっているところは想像できない。仕事を続けたくても次第に追いやられていくし、自分たちにフィットする新しい娯楽・エンタメがバンバン生まれてくるわけでもない。やることがアップデートされていないのだ。極端な話、シニア層が重荷として捉えられている問題は若者とシニア層との対立の現れであって、その 対立の原因は、単純にシニア層が暇だからなのではないか と思う。何かに熱中していると、些細なことでいちいち他人に口出ししないはずだ。逆にすることがないとちょっとしたことでついつい難癖をつけてしまう。

なぜシニア層は暇なのか

iPhoneが発売されて10年になるが、今やスマホを持っていない若者はいないはずだ。彼らは一日に何時間もの時間をゲームやSNSYouTube等インターネットサービスに費やしている。これらのアプリやWebサービスを作るにあたって元手となる資金はほとんど0である。なおかつそういったサービスを作るためのオフィスのような場所も必要ない。さらには、自分の労働力だけを元手に、うまく行けば億単位で売却できる事業が作れる可能性がある。

一方で、スマホやパソコンに縛られないもの、すなわち、IoTやロボットといったハードウェアの開発をしようとすると、ある程度資金を調達しなければならないし、ビジネスとしてやっていくためにはどうやって開発・生産していくのかをより綿密に考える必要がある。どこか海外で大量に生産するのか、自分たちで工場まで持つのか、いずれにせよ莫大なお金がかかる。しかも、いざマネタイズしようにもネットビジネスほど楽じゃない。

ネットサービスの開発の方がハードルが低いのは事実であり、ネットサービスを使い慣れている若者がどうしてもターゲットになりやすい。こういった理由から(もちろんこれだけはないが)、多くのIT企業はスマホやパソコンに慣れ親しんだ若者向けのサービスを提供してしまいがちだ。時間もお金も、若者より余裕があるはずのシニア層向けにサービスがあまり作られていない現状なのだ。たしかにシニア層向けのサービスも作られてはいるが、エンタメというよりは、シニア層ならではの問題を解決するためのサービスが多い。シニア層が熱中しているソシャゲーとか聞いたことがない。

シニア層がテクノロジーに慣れてしまえばいい

テクノロジーが著しく発展しているにもかかわらず、上述したようにシニア層が熱狂するようなエンタメが生まれにくい環境がある。これを解決するにはシニア層がテクノロジーに親しみを持つことが必要である。シニア層がテクノロジーの楽しさ、可能性を体感し、あわよくば彼らが自分たち向けにエンタメを作り出せれば一番理想だ。若宮正子さんという方は、80歳を過ぎてからインターネットに触れてその可能性を感じたという。ところが、 世の中のアプリ・ゲームは若者向けばかりで退屈だと思い、なんと自分でアプリを開発したのだ。

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こういった現象が自然と起きていく仕組み作りをすることに価値があると思う。

まとめ

高齢化問題をどう解決するのか、という議論については、そもそもシニア層は退屈しているのが問題なのであって、大勢の高齢者をどう支えるのか、と考えてしまう前提そのものが間違っている、と僕は思っている。彼らが熱狂するようなエンタメを提供したり、 テクノロジーに可能性を感じて自分たちでものを作る楽しみを知る仕組みを作る のが本質的な解決につながると思う。難しいのは彼らがどうすればインターネットやテクノロジーに関心を持つのか、ということで、おそらくスマホやパソコンで完結するサービスではない。慣れ親しんだインターフェイスでテクノロジーを届ける必要がありそうだ。

もちろんこれには時間がかかるし、すでに起こっているいろいろな問題を無視した考えだが、日本以外の国もいずれは高齢化社会になるのは確実なので、高齢化社会に立ち向かう術を確立すればアメリカや中国、多くの国に適用することができるはずだ。